まなざしと感触: 手作りの写真展

2026年1月10日〜24日

感光剤に触れ 

敏感な肌で感情を体現し

ノスタルジアを具現化する

作家のことば:

光過敏性てんかんという病気とともに生きるアーティストとして、感光剤にアプローチする方法は、写真プロセスにおける光の吸収について、とても個人的です。独学で、山田勇男、ラファエル・メンディア、化学者のゴラン・アルセンに師事し、フィルムの現像とプリントの技法を深く掘り下げてきました。

実験は私にとって、伝統的かつ古典的な芸術形式を正しく理解することに劣らず大切です。従来の写真の枠から出て、化学反応の表現へと向かう私の画像は、鑑賞者の感情に深く訴えかけることを意図しています。現実を再現することではなく、私たちの脳が記憶しているものや、感情が視覚に与える影響、その質感などを表現しています。

プロフィール

マロ・スートラ・フィッシュは1985年生まれのフランス人ビジュアルアーティスト。現在はパリを拠点にアメリカとフランスで活動する。フィルムという媒体・素材(マチエール)への情熱を基盤として、写真と映像の制作をしている。 

画像構成と編集が制作活動の中核をなす一方で、化学薬品とラボ技術へのこだわりが、彼女の映像と写真作品を結びつけている。作品の一部ではデジタルカメラやデジタル編集を用いるものの、アナログ芸術の表現を尊重し、フィルム現像とプリント作成は手作業にこだわる。遊戯、実験、探究に境目をつけず、カメラ、レンズ、フィルムの不完全さゆえの表現を大切にしている。